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(2043) 迷走心理 |
投稿者:うかい みほ
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たまに自分が嫌になる。 お兄ちゃんの腕が、匂いが、ぬくもりが無いとすぐに不安になる自分が。 今まで置いてかれたまま離れていたから当然と納得してしまいたいけれど。 なぜかそれが阻まれて沈黙する思考。 耳につけている唯一の自分の過去が重くて重くてはずしてしまいたいのに。 それすらも出来ない。私は何が出来るんだ。 身をちぢこませ足を折ってただ泣きたくても涙すら流れない乾いた自分に溜息を吐いた。
「……お兄ちゃん」
ただ呟いただけにしていれば良いのに。 そのまま立ち上がってお兄ちゃんから用意された自分の部屋から出ようと扉に手をかけた。 ぎい、と鈍い音が広い廊下に響く。 それがまるでいけない事のようで一瞬立ち止まったがすぐに歩き出す。
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2006年04月19日 (水) 07時47分 |
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