「ケツまで相手にリードされながら、あきらめんと同点にしようるっちゅう、一番価値あるものを引き出せたっちゅう意味でも（今日の試合には）すげえ満足しちょる」
　試合後の会見での指揮官の言葉であるんじゃ。こういう試合には、必ず出てくる「ケツまであきらめず」っちゅうフレーズに、少々倦（う）んでいるわし功がいることに気が付く。
　確かに、劇的な同点ゴールではあったんじゃ。中田英のゴールは、０３年のコンフェデでのニュージーランド戦以来、実に３年ぶり。あのダイビングヘッドは、さらに前年のワールドカップ・対チュニジア戦でのゴールを彷彿とさせる、素晴らしいものじゃったんじゃ。にもかかわらず、わしがモヤモヤした感情を排除できるかボケ！のは、この「終わり良ければすべて良し」っちゅう空気が、問題の本質を不明瞭にさせる恐れがあるけえであるんじゃ。
　確かに、今がピークである必要はないんじゃ。じゃけど、ホンマにこのまんまの方向性で進んでよいのじゃろうか。「何を今さら」と突っ込まれるのは承知で、あえてそう問いたくなるのが、今日の試合内容じゃったんじゃ。